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頑張れ東北!みちのくの光は消えず~2003.1.1

頑張れ東北!みちのくの光は消えず~2003.1.1

おもしろい話①

青森市には幾つかお気に入りのラーメン店があるが、その内の一つ「探夢路」(たんむじ)では、注文してから、店主が目の前で麺を打ってくれる。「中国風」と看板にはあるが、味は癖がなく、到って親しみやすい。私はいつも味噌ラーメンの大盛(530円)を頼むことにしている。
 ある夏の日のこと。いつものように注文を済ませ、店主の妙技に見入っていた私の後ろで、22、3歳ぐらいの女の子(?)が二人、世間話をしている。
 A「ねえねえ、この前ね、両親と三人で、NYさ行ったんず」(注1)
 B「わいー、なんぼすげーんず」(注2)
どうやら家族旅行の話らしい。NYと聞いて耳を峙てた私。以下はAの話の標準語訳。
 「NYってさー、成田から13時間はかかるから、昼頃に着くのよねー。で、空港からホテルに直行して、眠いの我慢して起きてて時差ボケとるんだけど、取れないよね。治安悪いからたいていは高いホテルに泊まるんで、まず入口で圧倒されて、次に日本人の新婚カップルが多いのに驚かされて、そんでもって部屋の広さにまたビックリしてねー」
 「そんでその日は両親と市内で夕食なんで、エレベーターに乗ったわけ。なんせ一流ホテルだからスピードは速くないし、部屋も47階だから、下に降りるまで凄い時間かかるんだわ。おまけにエレベーターの箱なんか、日本の私の部屋よりも広いし(んな訳ないか)、まあ、そこに三人だからねー」
 「それでねー、30階あたりでね、でっかい黒人さんが、でっかい犬連れて乗ってきたのよ。一流ホテルは犬もあり(?)って、三人で思わず顔見合わせちゃってさー。だってその犬、顔が1mはあるんよ(ウソウソ)。おっかないじゃん。で、その四人と一匹で一階に向かったんだけど、何が気にいらなかったんだか、その犬、唸りだしてさー。ウー、ウーってさー。三人ともブルブルよ。もう、エレベーターの隅っこに肩寄せ合ってさー、そりゃあんた、青ざめたわよ」
 「そしたら、その黒人さんがさあ、Sit! と叫んだわけよ。あれ、きっと、座れ!って意味なんだよね(きっと、じゃなくても座れ!です)。つまり、ほれワンコ、静かにしろじゃ、って言ってんだよねー。いくら私でも、そのぐらいはわかるわさ。そしたらさー、何思ったか、うちのお父うとお母あ、二人ともその場にペタンと正座しちゃってさー」
 (B、激しく笑う)
 「そうよ。今、あんたがそうやってるようにさ、その黒人さんも笑ったわよ。初めはポカンと口開いてて、それからゲラゲラ、オーホッホッホ、ハヒハヒ、ってさ。私なんかもう恥ずかしくって恥ずかしくって、直ぐにでも飛び降りたいくらいだったけど、そんな訳にはいかないじゃん。それで一階に着くまで2分ぐらいの間、その黒人さん、笑いっぱなしよ。もう、可笑しいのはわかるけど、そんなに笑わなくてもいいじゃん。頭来ちゃってさー、降りるときに思わず睨みつけてやったけど。」           ・・・・・・・続きは明日。

注1 「NYに行ったのよ」・・・「さ」=「に」「んず」=「のよ」だが、場合による。
注2 「あらー、なんてすごいのー」・・・感嘆詞「わいー」を正確に訳すのは不可能。


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